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卒業検定試験(自動車学校)

ついに、自動車学校の卒業検定試験の日が来てしまいました。

 

前夜はなかなか眠れませんでした。

 

ふとんの中で考えてもしょうがないのに、頭で幅寄せの練習をしてしまうのです。

 

よく眠って、元気な朝を迎えられるように、焼き芋を数えながら寝ることにしました。

 

なぜ、焼き芋かというと…、

 

運転の教習では、先生と車という密室に二人きり。

 

オナラが出ちゃうと恥ずかしいので、大好きな焼き芋を食べるのを我慢していたのです。

 

合格したら、焼き芋いっぱい食べるぞ~ということで、焼き芋を数えます…。

 

「焼き芋が1つ、焼き芋が2つ…。」

 

結局、眠りが浅かったようで、夢を4、5本見て、朝になりました。

 

自動車学校の教室に行くと、テストで運転する道の地図と縦列駐車をする位置が貼りだされていました。

 

苦手な方向変換ではない(幅よせをしなくていい)ことに少し安心したが、縦列駐車だって成功したことがないのです。

 

涼しい秋の日だというのに、体から汗がドバーッと出てきました。

 

着替えをしたくなるほどだったが、着替えは持ってきていません。

 

一番多くの回数教えてくれた厳しいY先生が、わざわざ、教室を覗いてくれました。

 

Y先生は、

 

「楽勝じゃん。」

 

とおっしゃってくれたので、ちょっと明るい気分になってテストに臨みました。

 

路上運転のテストは、特に大きな失敗もなくでき、次は自主経路となりました。

 

始点と終点が書かれた地図を渡されます。

 

始点と終点さえ同じであれば、間の道はどの道を通っても良く、最後に「駐車してもいい場所」に駐車するというテストです。

 

その道は、自分が1週間前にテストの山をはって、自転車で下見に来ていた場所でした。

 

先生が、

 

「○○町がテストに出るよ。」

 

と言ったので、駐車場所の確認のため、下見をしていたのです。

 

しかし、○○町はとても広いので全部は回る気がしなくて、私が先生だったら、ここをテストに出すなというところだけ見てまわりました。

 

偶然にも最後の終点は、ちょっと運転の下見とは、ずれるけど今度子供を連れて行こうかな~と寄り道した公園のわきの小さな道でした。

 

その時は、寄り道と思って見たので、駐車していい場所の確認はしていませんでした。

 

私は、肝心なところでぬけてるんだよな~。

 

あの時、ぬかりなく駐車場所を決めておくんだった!

 

至る所が駐車禁止なので、車を運転しながら駐車場所を決めるのが難しいのです。

 

自主経路の途中、信号が青になって交差点を曲がり、加速しようとしたら、別の信号が赤になりあわててブレーキを踏む瞬間がありました。

 

あやうく信号無視しそうになりました。

 

下見していたものの、こんなにすぐ信号があるとは!

 

その他の道は、なんとか普通に運転でき、駐車場所も間違えずに出来ました。

 

その後は、縦列駐車だったが、なんと産まれて初めて成功したのです。

 

練習で先生の言われていた通り、自転車で練習した通りに入れただけなのに。

 

入った瞬間、信じられなくてドアミラーで何度も確認してると、先生に

 

「入ってますよ。」

 

と言われてしまった。入ったら卒業検定試験は終わりなのです。

 

え~!も、もしかして合格?

 

何も自分で自覚している減点ポイントがない!

 

笑い出したい気持ちをこらえ、次の人の運転を後部座席に乗って見ていました。

 

運が良すぎた。昨日は雨だったのに今日は晴れています。

 

経路は下見した道だったし、苦手な方向変換が出ませんでした。

 

ロビーで合格発表を待っている時に、Y先生に報告。

 

「縦列入ったんですよ~。」

 

Y先生もうれしそうに微笑んでくれました。

 

今日、テストを受けたのは、5人でしたが全員合格!

 

一緒に車に乗ってテストを受けた高校生の女の子が、目に涙をうるませているのを見て、私ももらい泣きしそうになりました。

 

帰り道は、スキップして帰りたかったが、やめました。

 

喜びが隠せない!

 

もう、この学校に通わなくていいと思うと少し寂しいですが、1週間後の自動車学校主催バス旅行に、晴れ晴れとした気持ちで行けるのはうれしいです。

 

2009.10.25 旧ホワイトミントより

 

 

#自動車免許取得の体験談