みなさん!「傾聴」ってすごくいいですよ!!
先日のコミュニケーションワークで、興味を持った「傾聴」。
今回は、播磨俊子さんの講座「傾聴の基本」に参加してきました。
傾聴とは、善悪や自分の意見をわきに置いて、相手の話したいことを相手が話したいように聴くことです。
右の耳から左の耳に「聞き」流すのではなく、自分の「訊き」たいことを詰問するように「訊く」のでもなく、相手の話に興味を持って「聴く」、それが「傾聴」です。
この「傾聴」ができれば、親子、夫婦、友人、仕事等の人間関係は、ほとんど上手くいくと言われています。
私もデザイナーとして、お客さんの話を、「傾聴」できれば、お客さんにも満足していただけるし、プライベートでも楽しいことが増えるのではないかと思います。
デザイナーが芸術家と違う点とは、芸術家であれば、自分が言いたいことを描けば良いのに対して、デザイナーは、お客様の言いたいことを一般の人に広く伝えることが仕事だと思っています。
デザイナーは、まず、お客様の話を聴くのが先決というわけです。
それでは、講座の中で印象に残ったことを書きます。
講座の先生、播磨俊子さんは、臨床心理士として、大学の相談室に勤務されていました。
その時、学校にあまり出席しない学生(以下Aさん)が、週1回、相談室にやってきて、先生に話をしていたそうです。
Aさんは、家庭的にも経済的にも恵まれていませんでした。
しかし、話の内容は、友達と買い物に行った話やその日あった事等、悩みとは関係ない話ばかり。
先生は、途中で
「これでいいのかしら…?」
と思いました。
Aさんの悩みに関することを聴かなくて、先生として役に立ってるのかなと心配になったそうです。
臨床心理士は、相手の悩みを解決に導くのが仕事。
悩みを聴かなくては、何も解決できないのではないか…?
でも、そんな心配はいらなかったようです。
Aさんは、最後に
「ここ(相談室)があって良かった。
ここがなかったら、学校に来れんかった。
ここがあったから、学校に来れた。」
というようなことを言ったそうです。
そんな言葉があって、先生もホッと胸をなでおろしました。
そして、先生は、Aさんのことを、幼児がお母さんに甘えながら、今日あったことを話すような、そんな感じと似ていると感じたそうです。
これは、私の憶測ですが、Aさんは、幼児期から今まで、お母さんに思いっきり話を聴いてもらう体験が少なかったのかもしれません。
幼児が、今日あったことを話す、ただそれだけのこと、子供なら、誰でも無償で与えられて当然の幸せがAさんには、足りていなかったのだと思うと涙が出そうになりました。
そして、過去の自分が、友人の悩みを訊き出して、仲良くなりたいと思っていたことを恥ずかしく思いました。
悩みを聞き合うと仲良くなった気分になりますが、自分本位で訊いていたことも、多々あったような気がします。
傾聴とは、話の内容も相手が主体にならなければ、意味がないのです。
そして、悩みを聴かなくても、ただ、話を聴くだけで、相手を癒せるということに気付きました。
…続く。
2012.05.30 旧ホワイトミントより